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黄砂の予報が出ていますが、原因となる黄土高原は昔から砂漠化した大地ではありませんでした。
山にはクヌギ、ニレ、シラカバなどの落葉広葉樹やマツ、モミ、カンバなどの針葉樹が茂り、平坦なところは草原で、2100年前の秦時代には森林率は50%もありました。
森林破壊が急速に進んだの15世紀の明の時代で、世祖・永楽帝は首都を北京に移し、当時、世界最大の都市をつくりました。
都市づくりには膨大な木材が必要とされるとともに、万里の長城も大規模に改修されレンガを焼くために大量の木が切られ森林率は10%以下となったのです。
その後の過度の開墾などにより森林率が6%にまで減少し、黄土高原の総面積60万㎢(日本の面積の約1.6倍)の3分の2以上が土壌浸食を受けています。
中国政府は対策として植林を進めていますが、木は生育に多くの水が必要で、大規模に実施された植林によって、今度は中国北部の水資源が枯渇するという問題が起きています。
一朝一夕に黄砂はなくならないようです。
ちなみに日本の森林率は66%です。
立派な建造物が立ち並ぶ都会にも、森のような木々を植えて、水の確保を忘れないで街の開発を進めていかなければ、やがて砂漠化して人が住めなくなるという事を学びました。