TOP > Pua Mae ‘Ole Hula Studio 日記 > 虫垂の役割
ヒトの腸管内にはおよそ4000種類100兆個の微生物が住み着いています。
そして虫垂には数種類の腸内細菌がいて、一種の「安全地帯」として働いています。
ひどい下痢や、強力な経口薬の服用後に起こる腸内細菌へのダメージを修復し、細菌を再増殖させる役割りを担っているのです。
アメリカの研究では、虫垂のない患者は、「クロストリジウム・ディフィシル」腸炎、の再発率が通常の4倍と高いことが分かりました。
この病気は、腸内に少数生息する「クロストリディオイデス・ディフィシル」細菌が異常増殖するために起こる大腸炎です。
虫垂は、その異常増殖を抑えて、腸内環境を整えていると見られます。
しかし、虫垂がそれほど重要ならば、盲腸「急性虫垂炎」はなぜ頻繁に起こるのでしょうか?
これについて、デューク大学医療センター(米)の免疫学者、ウィリアム・パーカー氏は「工業化社会に伴う近代の生活環境の変化が原因」と推測しています。
「衛生状態が極端に改善されたことで免疫系の機能が大きく低下し、虫垂が感染症にかかりやすくなった」ためです。
その上、急性虫垂炎は、暴飲暴食や不規則な生活リズム、過度なストレスが原因にもなるため、現代人はますます「盲腸」にかかりやすくなっているのです。