TOP > Pua Mae ‘Ole Hula Studio 日記 > 神代桜の樹勢回復
日本で最も樹齢の高い桜の木と言われる山梨県の神代桜、日本武尊が東征の際にこの桜を植え鎌倉時代に日蓮聖人が樹勢の回復を祈願したとの伝説があります。
樹齢は1800年から2000年といわれ、国の天然記念物に指定されています。
天然記念物に指定されてから樹勢が衰えだし調査の結果、保護のために実施した石積みの囲いと、囲い内に2度盛り土を行ったことが樹勢を悪化させたことが判明しました。
根元は見物客の踏圧で弱ったうえに、根の上に厚い盛り土をしたため根への酸素供給が断たれ、石囲い内は清掃が行き届いていたため有機質の補給がなくネコブセンチュウ病が蔓延したのです。
さらに保護用の屋根の設置により根元が乾燥した事も樹勢に悪影響を与えました。
そこで2003年(平成15年)から神代桜の周囲の土壌を取り除いた替わりに、土壌改良材を混ぜた赤土で埋め戻して地表部には養分と微生物に富んだ培養土を敷きました。
この結果、翌年には新枝が前年の2倍の早さで伸び、葉の枚数も増え、根の発根量も目に見えて増えるなどの樹勢回復が認められたのです。
そして2006年(平成18年)には保護用の屋根が撤去されました。
保護のありかたはどうすればよいのかいろいろ考えさせるケースです。
ところで家の近くの谷津公園の桜の老木がこの冬の間に数本伐採されました。
保護する方法はなかったのでしょうか。