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平安時代末から明治初頭にかけてつくられた教科書を「往来物【おうらいもの】」とよびます。
「往来」とは手紙、書簡の意で、往返一対の手紙の模範文をいくつも集めて初等教科書として編集したものを指します。
江戸時代には、経済の進展によって庶民層も文字を習得するようになりました。
また、印刷・出版技術が向上し、普及したことなどにより、多種多様な初等教科書類が大量に世に送られました。
これらの教科書類の中には手紙の模範文の体裁をとらないものもありましたが、やはり「往来物」とよばれました。
寺子屋においては、手紙の模範文による学習が伝統的なものでもあり、一般的なものでもあったので、初等教育の教科書類を「往来物」と総称していたのです。