TOP > Pua Mae ‘Ole Hula Studio 日記 > アゾレス諸島と捕鯨
アメリカ合衆国でのマッコウクジラ漁 (アメリカ式捕鯨)は1712年に開始され、1730年 頃には大西洋はポルトガルの西にあるアゾレス諸島近海で操業を行うようになりました。
1768年には、鯨油や大腸から得られる香料「 りゅうぜん香」等の採取を目的として、ニューイングランド地方の捕鯨船200隻が操業していたのです。
アメリカ船による捕鯨は19世紀中頃にピークを迎えたのですが、船員の不足に悩まされていました。
アメリカの捕鯨船は、乗組員の死亡・脱走等による欠落を補うため、アゾレス諸島に寄港してポルトガル人の乗組員を補充していました。
慢性的な過剰人口を抱 えていたアゾレス諸島では、兵役を逃れる目的もあって捕鯨船の 乗組員としての就労を希望する10代の男性が多くいました。
そして、捕鯨船の乗組員の賃金は母港であるニューイングランドに帰港してから支払われたので、乗組員の中にはアメリカにそのまま定住する者もでてきました。
1840年には太平洋岸での捕鯨船の乗組員として、船員の経験のあるポルトガル人が採用され、カリフォルニア州沿岸部やハワイ諸島への移住することとなったのです。
マウイ島のラハイナ港や、カウアイ島のナヴィリヴィリ港は、捕鯨船の寄港地として、賑やかだったようです。
クジラの骨や歯で作ったペンダントトップなど、今でもハワイのお土産として、ショップにならんでいます。