TOP > Pua Mae ‘Ole Hula Studio 日記 > 火山噴火と気候変動
火山の噴火が起こると、大気中に火山灰・塩酸・二酸化硫黄などが拡散されます。
固体や液体成分は雨や雪によって比較的短い時間で大気中から除去されますが、気体成分の二酸化硫黄は大気中の水酸基と化学反応を起こして硫酸エアロソルを作り、下部成層圏に長い時間留まります。
硫酸エアロソルは太陽入射を反射・吸収して太陽入射を減少させる日傘効果と、地球の赤外放射を吸収する温室効果によって気候に大きな影響を及ぼします。
その中には短期的な効果をも たらすものと長期的な効果をもたらすものとがあります.
実際に大規模な火山噴火と時を同じくして気候変化があったかどうかを歴史記録や考古学的・地質学的記録から調べると,広域的な気候変化(とくに数年程度の寒冷化)と相関がみられます。
たとえば,1783年のアイスランドのラカギガル割れ目噴火や1815年のインドネシアのタンボラ火山の噴火にともなう広域的な寒冷化などです。
1783年には日本でも浅間山が噴火して天明の大飢饉となりました。
1816年は夏のない年といわれ、コレラが初めて世界的に大流行しました。
ナポレオンがワーテルローの戦いで敗れたのもこの時の大雨のためと言われています。
今、二酸化炭素・メタン・フロン類などの温室ガスによる地球温暖化が問題になっている一方、火山活動による真逆の寒冷化を唱える学説もあるという事です。