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古代よりスパイスは、薬用、香料、神事祭事、媚薬、保存料に用いられる希少で貴重な品でした。
その中でも、シナモン、クローブ(丁子)、コショウなどは、主に熱帯の東南アジアを原産としているため、西洋では非常に希少価値があり、高価だったのです。
東西の交易は、陸路(シルクロード)とインド洋から紅海を経る海路があり、どちらを利用しても通るイスタンブールや地中海沿岸のベネチア、ジェノアといった海洋都市が1200年頃から300年もの間、繁栄を極めていました。
オスマン帝国が中東を押さえ香辛料貿易を独占すると、ヨーロッパから直接東南アジアに行くルートを開発する大航海時代となりました。
新航路の発見により、スペインやポルトガルはヨーロッパの西の端ではなく、アジアからの入口となって繁栄を極めました。
カルダモン、ジンジャー(生姜)などはすでに各地で栽培されていたが、クローブ、ナツメグは、インドネシアのモルッカ諸島(別名:香料諸島)など限られた地域にしか産出しなかったために、以後、オランダ、イギリスなどが加わって、激しい争奪戦が繰り広げられることになるのです。
フランスはこうした争いの中でクローブやナツメグの苗木をオランダ官警の目を盗んで持ち出し、マダガスカル島、ブルボン島に移植したのです。
以後、南米や西インド諸島にも栽培地が広がっていきました。
シナモン、クローブ(丁子)、コショウは、いずれも漢方薬として、温裏薬(裏:身体の内部)という、身体の臓腑、特に心、胃腸を温め、機能を高める生薬に分類され、現在でも用いられています。
体質的な“冷え”や冷たいものの摂取、寒冷刺激による消化器機能の低下、例えば食欲不振、嘔吐、下痢、便秘、腹痛に効き目があります。