TOP > Pua Mae ‘Ole Hula Studio 日記 > 恐竜と酸素
哺乳類の祖先たちの肺は、息を吸うときも吐くときも動かすタイプでした。
この動きには肺全体がかかわり、空気中に大量の酸素があるときには有利ですが酸素濃度が低下すると、問題が出てきます。
一方、恐竜の祖先を含む爬虫類の呼吸法は異なっており、片側からポンプのように空気を送り、反対側で酸素を取り込む一方通行式でした。
こうした体の構造のおかげで、爬虫類(ヘビやトカゲ、恐竜から進化した鳥類などの現在の種も含む)は、高地などの酸素が少ない環境下において、より効率的に呼吸することができるのです。
高酸素濃度下の古生代(石炭紀後期からペルム紀)に繁栄した単弓類(哺乳類型爬虫類)は酸素濃度の低下と共に多くが死に絶えました。
この時代を生き延びて三畳紀に繁栄した主竜類の中で、気嚢により低酸素環境への適応度を先に身につけていた恐竜が後の時代に繁栄していくのです。
なお、単弓類の中で横隔膜を生じて腹式呼吸を身につけたグループは、気嚢のグループには及ばないものの低酸素の時代の危機を細々と乗り越え、哺乳類の先祖となりました。
哺乳類は酸素を大量に必要としているのです。
コロナ下での、エクモの活躍からも、酸素濃度は人間にとって重要なのがわかります。
酸素を作り出すのは森林などの植物で、環境保全が大切なのは私達の体の仕組みからも説明できるのです。