TOP > Pua Mae ‘Ole Hula Studio 日記 > 蒸す調理法
米の原産地、東南アジアでは、米を木の葉に包んで蒸して食べていました。
しかし、蒸すだけでは、米のもっているグルテン(粘着性をもった澱粉質の変質したもの)が充分に出てきません。
そこで日本人は、これを水に入れて煮る、いわゆる「飯を炊く」ことを考えつきました。
日本に米をもたらした揚子江下流地域の中国でも、米を水に入れて炊きます。
けれども、米が炊けると、炊き汁を捨てて……要するにグルテンを捨ててしまって、パサパサした繊維と澱粉だけを残した飯にします。
ところが日本人は、そのグルテンが流出した水分をもう一回、米の組織の中に再吸収させるのです。
それがいわゆる、ご飯の「後熟」で、「蒸す」とか「むれる」とかという言葉です。
ご飯が炊きあがると、その後、フタをしたまましばらく釜の中にご飯を置いておきます。
そのときにグルテンが全部、米の中に再吸収されます。
事実、そのほうがカロリーが放出しないで残る上に、「うまい」という旨味が非常に増幅されるのです。
「うまい」のは、グルタミン酸ソーダとかアミノ酸の相乗効果によるもので、それはグルテンを米の組織に再吸収させることによって生じるものです。
日本の米の味がおいしいのは、日本人が行っている調理法にあるのです。
日本の電気釜を大量に買っていく外国人が多いのも、納得です。