TOP > Pua Mae ‘Ole Hula Studio 日記 > 「ナラティブ」と「ストーリー」
ナラティブとは直訳すると「物語」という意味ですが、物語の筋書きや内容を指す「ストーリー」とは意味合いが異なります。
ストーリー:起承転結型の筋書きがあり、時間軸に沿って順番に沿って展開されていき、物語に終わりがあります。
ナラティブ:常に現在進行形で、物語にあらかじめ決まった終わりというものがありません。
人は物事を科学的根拠や利害得失を元に論理的、理性的に考えていると思いがちですが、往々に感情を優先した不合理な判断をすることがあります。
しかし、感情が豊かであるのは、生き延びる知恵でもあるのです。
群れをつくって集団として生き延びる道を選んだ現生人類は集団内の他のメンバーからからの情報を重視するため、コミュニケーション能力として感情が発達したのです。
その感情を動かすために有効な手段が、「物語」・ナラティブなのです。
集団内で情報を共有することが、集団での協力作業を円滑に進めるのに有利となります。
人類の祖先が生活していた環境では、100人前後の小集団で生活しており、情報の共有も容易であり、怪しい噂もすぐに訂正できたとされています。
そのため、小集団の中で見聞きする情報は、すぐさま正しいものだとして受け取ることに意義が生まれました。
そして、疑うことよりも信じることが優先された結果、人間は「信じやすい動物」として進化してきました。
こういった背景があり、人間はナラティブによって影響を受けやすくなったのです。